どんな患者が好かれるとかある?
逆に嫌われるのは?
初めて歯科医院を受診するとき,上のように思ったことありませんか?
あるいは,上のように思っていて,歯科医院を受診できないとかないですか?
歯医者も一人の人間なので,患者さんに対して好き・嫌いはあります.
この記事を見て下さる患者さんは嫌われることは無いとは思いますが,歯医者はこんなことを思っているんだなと理解して貰えると嬉しいです.
私たち歯科医師は
好かれる患者さん
- 予約時間を守る患者さん
- 性格的に穏やかな患者さん
- 歯科医の話を聞いてくれる患者さん
- 歯科医の話を理解してくれる患者さん
- 治療に対して,自分で意思決定してくれる患者さん
嫌われる患者さん
- 無反応の患者さん
- 嘘を付く患者さん
- 高圧的な患者さん
- 時間を守らない患者さん
- キャンセルの多い患者さん
- 口紅,化粧を大量に塗ってくる患者さん
- 臭い(何日も風呂に入っていない,香水など)患者さん
- 人の話を聞かない患者さん
という風に思っている可能性が高いです(少なくとも,私たちはそう思っています)
診療拒否された事がある方は,見覚えありますでしょうか?
お互い,人間なので尊重し合えれば嬉しいです!
今回の記事はあくまで私たちの主観で書いていますので,ご承知下さい!
歯科で診療拒否ってされるの?
昔は,歯科医師法で診療拒否はできませんでした.
これを応招義務と言います.
診療に従事する歯科医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。
歯科医師法19条1項
しかし,これは
歯科医師が国に対して負担する公法上の義務であり、医師又は歯科医 師の患者に対する私法上の義務ではないこと
と記載されています.
さらに,以下の場合は患者を診療しないことが正当化されることもあるようです.
・患者の迷惑行為
・医療費不払い
・差別的な取り扱い
・訪日外国人観光客をはじめとした外国人患者への対応
厚労省 応招義務をはじめとした診察治療の求めに対する適切な対応の在り方等について から一部抜粋
というわけで,現在は緊急性が著しく低い・あまりにも患者さんの態度が酷い場合などは診療拒否される場合もあります.
好かれる患者さん
私たち歯医者も人間なので好き嫌いがあります.
特別なことはありませんが,好かれる患者さんの特徴を列挙していきます.
好かれる患者
- 予約時間を守る患者さん
- 性格的に穏やかな患者さん
- 歯科医の話を聞いてくれる患者さん
- 歯科医の話を理解してくれる患者さん
- 治療に対して,自分で意思決定してくれる患者さん
予約時間を守る患者さん
歯科治療は分刻みで行われています.
特に保険治療は単価が低いので,予約が詰まっていることが多いです.
なので,予約時間を守って頂けるのは,非常に助かります.
予約時間までに来て下さっているのに,お待たせすることがあるのは本当に申し訳ないなといつも思っています.
性格的に穏やかな患者さん
言うまでもないですが,性格が穏やかな患者さんだとこちらも穏やかになれます.
いつも笑顔で,ゆとりがあって
診療の後に「ありがとう」と言われると,こちらも嬉しいのは間違いないです!
全員にそう言われるように真摯に診療を行ってはいるつもりですが・・・
歯科医の話を聞いてくれる患者さん
歯科医(衛生士さんも)の話をちゃんと聞いて下さる方は嬉しいです.
なるべくわかりやすく,丁寧に話すようには心がけていますが
それでもわからない時は,遠慮なく質問して下さると更に嬉しいです(しすぎは困りますが)
歯科医の話を理解してくれる患者さん
上の話を聞いてくれると似ていますが,その話を理解して頂く必要もあります.
もちろん,歯科医師側の説明が下手で理解できないことも多々あると思いますが・・・
それでも,やはり理解し,納得してもらえると嬉しいです.
治療に対して,自分で意思決定してくれる患者さん
ここに繋がるので,上の2つが大事になります.
先生の好きなように治療して
と言われる患者さんもいらっしゃいますが,
勘違いしてはいけません.
治療の主体は患者さんです.
歯科医師側は,
- 現在の状態の説明
- 治療の提案
を行っていて,それに患者さんが納得されなければ基本治療は出来ません.
インフォームド・コンセントとは
十分な説明を受けて,それを理解して納得した上で同意して治療を受けることを指します.
自分で意思決定しないがために,後々後悔したり,クレームを入れることになるので,
自分の事なので自分で決定するようお願いします!
理解できないのであれば,理解できるまで聞いてもらうか,紙に書いてもらうことをお勧めします.
嫌われる患者さん
今度は嫌われる患者さんの特徴です.
嫌われる患者
- 無反応の患者さん
- 嘘を付く患者さん
- 高圧的な患者さん
- 時間を守らない患者さん
- キャンセルの多い患者さん
- 口紅,化粧を大量に塗ってくる患者さん
- 臭い(何日も風呂に入っていない,香水など)患者さん
- 人の話を聞かない患者さん
無反応の患者さん
まれにこちらの問いかけに全く反応されない方がいらっしゃいます.
そうすると,治療する側としては不安が強くなります.
話すのが苦手という方もいらっしゃると思いますが,返事だけでもして頂けると助かります.
嘘を付く患者さん
これは本当に困ります.
下手をすると命に関わることもあります.
歯科医師には守秘義務がありますので,本当のことを伝えてください.
それによって診断の手がかりになったり,治療方針が変更することがあります.
高圧的な患者さん
歯科医師も人間ですので,そのような態度を取られると,
なるべく早く治療を終わらせようとします.
診療拒否の可能性もあります.
普通に接してもらえればと思います.
歯科医師側が高圧的な場合は,転院しましょう!
時間を守らない患者さん
『好かれる患者さん』のところで,時間を守って下さる患者さんは好かれると記載しましたが,
逆に守らない患者さんはかなり嫌われる可能性が高いです.
治療も後回しになりますし,適当になる場合もあります.
時間通りに来れない場合は,せめて一報連絡入れてもらえると助かります.
キャンセルの多い患者さん
キャンセルを何度も続けてされる場合(5-6回連続など),
その人は受診するつもりがない患者さんとして認識されます.
なので,同時間に他の患者さんを入れることになるかもしれません.
また,治療が必要だから予約しているのに,
それに来ないということは
治療の適応が無くなる可能性もあります.
ex) 根の治療の場合.
本来は根の治療が終了後は補綴(被せ)の治療になりますが,根の治療を何度もキャンセルしていると保存不可になり,抜歯になる可能性もあります.
お仕事等で忙しい方も多いかとは思いますが,
確実に受診できる日で予約を取っていただけると助かります.
口紅,化粧を大量に塗ってくる患者さん
口紅や濃い化粧って歯科医師からすると厄介なんです...
唇や頬に触れずに診療は困難ですし,
グローブに付いた紅やパウダーを服や顔の他の部位に広げる可能性があるので
メチャクチャ気を使います.
酷い場合は,診療前に拭いてもらうこともありますが,
口紅は診療後に塗って頂く or 診察前に拭き取って下さい.
マレであれば良いのですが,同じ人が良くされるのでご注意を.
臭い(何日も風呂に入っていない,香水など)患者さん
歯科治療ってかなり接近して行うことになるので,
臭いがキツイ場合は呼吸が出来ないので,ロクに治療が出来ません.
また,他の患者さんの迷惑にもなる可能性があります.
体臭くらいであれば問題ないです.
上記に記載しているように,
何日も風呂に入っていない や 香水を大量に付けてくることはやめて下さい.
人の話を聞かない患者さん
これには
- 自分で調べた誤った情報を鵜呑みにして言うことを聞かない人
- コンプライアンスが悪い(アドバイス,注意事項を守らないなど)人
- 自分の主張を言うだけの人
- そもそも話を理解する気がない人
などを含みます.
そんなに話を聞きたくないのであれば,違う医院を受診したら?と思ってしまいます...
あまり歯科医師は気にしないケース
最後に,患者さん側は気にしているかもしれないけども,歯科医師側はあまり気にしないことを列挙します.
むし歯,歯周病の歯がたくさんある患者さん
むし歯がたくさんあるから怒られるのが怖い・・・
という方がいますが,あまり気にしません.
というか,むしろ受診して❗と思います.
治療方針に悩んだり,治療に時間がかかる可能性はありますが,
嫌がる歯科医院は無いのではないでしょうか.
歯並びが悪い患者さん
これも上記と同様に
矯正すれば綺麗になるのになー.勿体ない.
と思うことはあっても嫌がることはないと思います.
保険治療にするか,自費治療を選択するかどうか迷う患者さん
迷って当然です.お金掛かりますから.
口の中にどれだけお金を掛けるかは御本人の価値観なので,自由に決めて良いと思います.
個人的には自費治療はお勧めですが,自費を強制的に選択させるところは辞めたほうが良いです.
自費治療・保険治療のメリット・デメリットの説明を受けて,考えて決めて下さい.
保険のみを選択したい場合は,初診時に伝えておいたほうが良いです.
途中で自費もしたくなれば,また聞いて下さい.
質問が多い患者さん
同じことを何回も聞くのを良しとしている訳ではないです.
理解・納得がいくまで説明を求めるということです.
ただ,毎回大量の質問をされると診療時間が確保できないので,
その時は質問票などを作成してもらって,
次回に説明を受けるという風にしてもらえると助かります.
違う歯科医院から転院してくる患者さん
セカンド・オピニオンという言葉をご存知でしょうか?
セカンド・オピニオンとは
診断・治療の選択などについて,現在受診している歯科医師(歯科医院)とは別の歯科医師(歯科医院)に意見を求めることです.
たまに嫌な顔をする医院もあるかもしれませんが,個人的には良いことだと思っています.
自分で治療に関して意思決定しているということですので.
セカンド・オピニオンを受け入れれないところは,止めていたほうが良いかもしれません.
ただ,ドクターショッピングは違います.
嫌がられますので,止めていたほうが良いです.
ドクターショッピングとは
「最初の診断・治療に満足がいかずに,他の医院を受診するも同じようなことを言われ,また別の医院を受診する」ということを繰り返すことです.
診療途中で受診されなくなった患者さん
診療途中で行けなくなってしばらく経ったから,行くのが怖い...
という方がいますが,来てください.
今現在,どんな状態になっているのかむしろ心配です.
治療方針が変わることがあるので,その辺りはご了承を.
ただ,何度も中断されると嫌になります.
お仕事等でどうしても受診できない期間がわかっている場合は,
それを事前に治療前に伝えておくと診療計画が立てやすいです.
まとめ
今回は好かれる患者さんと嫌われる患者さんについて取り上げてみました.
簡単に言うと,好かれる患者さんは
時間を守り,治療に積極的に参加して下さる患者さんです.
逆に嫌われる患者さんは
周りの人にも迷惑を掛ける患者さんです.
当たり前といえば当たり前ですが・・・
また,書いてあるように,
治療を途中で中断したり,口に悩みを持っている人に対して嫌になることはほぼ無いです.
お互い尊敬しあって接することが出来れば,みんな幸せになれると信じています!
この記事が参考になりましたら,周囲の人に紹介してもらえると嬉しいです.
それでは,次回もお楽しみに〜
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