多くの歯科医師がゴールドの被せが良いと思っている理由

ゴールド 被せ

被せってやっぱり白いセラミックがキレイで良いよね.

歯医者さんもみんなセラミックにしているの?

と聞かれることがよくありますが,

前歯セラミック見えにくいところはゴールドです!
(あくまで私たちの場合ですが,多くの歯科医師は同意見です)

という事で,その理由について述べたいと思います.

もちろん,セラミックも良いんですけどね.

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目次

見えやすい歯と見えにくい歯

人の歯は前歯奥歯(臼歯)に分けられます.

一般的に,にっこり笑って歯が見えるのは前から数えて4番目の歯(第一小臼歯)までと言われています.

笑ったときに見える歯
笑ったときに見える歯

上の画像でわかるように,明らかに見えるのは犬歯まで.

その後ろの歯が少し見えるかなというくらいです.

唇がありますので,第一小臼歯はあまりはっきり見えないことが多いです.

ということは,目立つのは犬歯までということになります.

プロ野球選手や芸能人の白い歯もおそらく第一小臼歯までをキレイにしている人が多い印象です.

前歯の治療

ちなみに,日本の歯科保険治療では

少し昔までは前歯を白く被せる方法は

金属に樹脂を貼り付ける前装冠しかありませんでしたが

今ではCAD/CAM(セラミック+樹脂)で白い歯を被せることが可能になっています.

これのおかげで,今までより透明感が増して,自然な色に仕上がるようになりました.

といっても,自費のセラミックの方が,丈夫キレイです.

臼歯の治療

そして,臼歯の治療はむし歯の大きさや部位にもよりますが,

金銀パラジウム合金(金パラ)という銀色の被せが主流でした.

今では部位によってCRインレーCAD/CAM白い歯を選択することも出来るようになっています.

けれども,臼歯は前歯に比べて咬む力が大きくかかりますので,

CRインレーやCAD/CAMではやや強度が心配な場合も多いです.

ゴールドのメリット

というわけで,臼歯の自費治療を選ぶのであれば,ゴールドをオススメします.

その理由は

  1. 安定した金属
  2. 適度な硬さと軟らかさ
  3. 金の特性である展性・延性
  4. (換金が可能)

です.

順番にその理由を書いていきます.

1.安定した金属

金は知っての通り,安定した金属です.

酸にも溶けません(王水には溶ける)し,

酸化しにくいです.いつまでもキレイです.

一方,よく使われている金パラ(銀歯)は時間とともに酸化して黒ずんでいるものを見かけます.

金は酸化されないので,イオンが口腔内に放出されることもほぼ無く,

アレルギーの心配が少ないです.

2.適度な硬さと軟らかさ

純金(24K)は非常に軟らかく,そのままでは歯科治療に使えませんが,

口腔内に使用する金は他の金属と混ぜてあり,基本的に14〜18Kです.

なので,適度な硬さと軟らかさを持っています.

セラミックは非常に硬く,調整がかなり正確に必要です.

調整が下手だと,

  • 咬み合う歯が痛む
  • 被せを入れた歯が痛む
  • 被せが壊れる

といった可能性があります.

一方,ゴールドは軟らかいので,歯へのダメージが少ないです.

けれども,その形が大きく変形することはないので,

機能を維持することが出来ますし,金属なので基本的には壊れることは無いです.

3.金の特性である展性・延性

私たちがゴールドを勧める主な理由はこの金特有の特性です.

展性

これは圧縮する力を加えたとき変形する性質のことです.

延性

これは引っ張って長く伸ばすことができる性質です.

この2つの性質が優れていることによる恩恵が,

  • 歯と被せの間に隙間ができにくい
  • 少々の隙間ができても咬んでいると延びて塞いでくれる

です.

被せをした歯は,

  • 劣悪な口腔環境により被せと歯の間の接着剤が劣化して隙間ができる
  • 隙間からむし歯が広がるけれど,被せをしているので気が付きにくい
  • 気が付いたときは,神経が温存できない状況にある

ということがよくあります.

けれども,ゴールドの被せの場合,上記のことが起きることがかなり少ないです.

何かしらの理由で,ゴールドの被せを除去しても他の被せに比べて,その内面はキレイなことが圧倒的に多いです.

ゴールドの被せは,むし歯で歯をダメにするリスクをかなり下げることが出来ます.

むし歯にならないわけではないので,注意して下さい!

4.換金可能

実は除去したゴールドの被せを頂いて,質屋に持っていって換金することが出来ます.

が,これは歯科医院によって異なるので確認してみて下さい.

今は金が高騰しているので,いざというときにはもしかすると役に立つかも?

ゴールドのデメリット

一方のデメリットですが,

  • 審美性はセラミックに劣る
  • 高価であり,自費治療になる

ということです.

審美性がやや悪い

審美性はセラミックに劣るものの,金パラ(銀歯)よりは目立ちにくいです.

口腔内は大きな口を開けない限りは影が多いですし,金は白っぽいので思っているよりは目立たないです.

が,やはり前歯への使用は審美性に劣るのであまりオススメはできません.

昔(バブル時代)は,前歯にわざとゴールドの被せを入れて,お金を持っていることをアピールしていた人も居たとか・・・

高価,自費治療になる

金が高いことを知らない人は居ないと思いますが,

最近どんどん高騰していっています.

なので,今後ゴールドの被せを行う場合,もっと価格が上る可能性があります.

まとめ

という事で,おさらいです.

自費治療を行う場合,出来る限り歯を長持ちさせる治療を行うのであれば

  • 前歯はセラミック
  • 臼歯はゴールド

の被せをオススメします.

メリット・デメリット

ゴールドは

  • 安定した金属である
  • 適度な硬さと軟らかさがある
  • 延性・展性に優れている
  • 換金可能な場合もある
  • 審美性はセラミックに劣る
  • 高価で自費治療になる

奥歯はゴールドの被せをオススメする理由がわかっていただけたでしょうか?

セラミックも良い治療ですが,個人的にはゴールドが最も優れていると思っています.

もし,自費治療を選択する場合は候補に入れてもらえればと思います.

もちろん,一番良いのは「むし歯にならないこと」なので,むし歯予防に重点を置いて下さい!

この記事が参考になりましたら,周囲の人に紹介してもらえると嬉しいです.

それでは,次回もお楽しみに〜

ゴールド 被せ

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