お口に悩みを抱えていている人は意外に多く,友人や知り合いからよく聞かれる質問があります.
どんな歯医者さんがおすすめ?
歯医者がいっぱいありすぎて,どこに行ったら良いかわからない!
自分に合う歯医者は人それぞれ!
ということで,今回は自分に合った歯医者の見つけ方について歯医者の立場からお答えします.
また,注意するべき歯医者についても書いていますので,参考にしてもらえればと思います.
結構長くなっていますので,先に結論だけ書いておきます.
- 優しい歯医者を探している人 👉 色々な歯医者を受診
- 最新の設備が整っている歯医者が良い人 👉 HPを確認
- 腕が良い歯医者を探している人 👉 歯医者が受診する歯科医院
- 予約なしで診察してくれる歯医者を探している人 👉 電話で確認
- 費用が安い歯医者を探している人 👉 定期的検診・メインテナンスを重視
- 説明をしっかりしてくれる歯医者が良い人 👉 初診時の対応で判断 or 大学病院
- メインテナンスをメインに見て欲しい人 👉 歯科衛生士さん,HPに力を入れている歯科医院
- 私費治療ばかり勧めてくる
- 治療前後に全く説明がない
- いつ開いているか不明 or よく閉まっている
良い歯医者の選び方
さて,問題です.
良い歯医者ってなんでしょう?
優しい?
腕がよい?
時間が短い?
話を聞いてくれる?
・・・etc.
いろいろとあると思いますが,答えはありません.
なぜなら,一人一人の患者さんの求める事が異なるからです!
万人受けする歯科医師はほぼいません.
なので,自分に合った歯医者を探す事が大切です.
という事で,タイプに分けて説明したいと思います.
1.優しい歯医者を探している人
これは中々難しい質問です.
わからないといった方が正解かもしれません.
というのも,
優しいかどうか = その人に合うかどうか
だからです.
それでも,優しい歯医者を探す目安としては
- 口コミが良い
- 医院内の雰囲気が良い
- 質問に丁寧に答えてくれる
- 初診時にしっかり説明してくれる
歯科医院はたくさんありますので,何軒か受診して自分に合った歯科医院を探して下さい.
2.最新の(最先端の)設備が整っている歯医者が良い人
これは,HP(ホームページ)を確認しましょう!
新しく開業した場合は,基本的に設備は新しいですが,
最先端の設備かどうかは不明です.
最先端の設備は高いです.
そのため,導入した場合はアピールをします.
それがわかるのは,HPが多いです.
ただ,治療費は高いかも(自費治療である場合が多い)しれません・・・
治療費が気になる方は,その装置を使用した治療が保険範囲内であるかどうかを調べて下さい.
もしくは,その歯科医院のスタッフに聞いてみることをオススメします.
- 大学病院や病院歯科だからといって,最先端の設備が整っているわけではない.
- 街の開業医の方が最新設備の導入は早い可能性が高い.
- 大きい病院では手続き等の制限があって,導入に時間がかかる事が多い.
3.腕が良い歯医者を探している人
みなさんが最も知りたいのはこれじゃないかと思います.
一番確実なのは,歯医者が受診する歯科医院です.
もしくは,その歯科医院のスタッフ・技工士さんが受診している歯科医院です.
やはり,歯医者,またはスタッフが一番腕の良い歯医者を知っています.
もっと言うと,
- むし歯の治療なら○○先生
- 根の治療なら○○先生
- 被せやインプラントの治療なら○○先生
といったように専門が別れます.
ですので,
先生はどこの歯医者で治療を受けていますか?
と聞いてみるのも良いかもしれません.
ただし,現在通院している歯科医院と仲が悪くなるリスクもあります.
- 私費治療が高い場合が多い
- 予約が取りにくい可能性がある
最近では,各分野の専門の歯科医院がチームで治療しているところもあるようですので,そのようなところを選んでも良いかもしれません.
4.予約なしで診察してくれる歯医者を探している人
これは電話をして聞いてみましょう.
もしくは,HP(ホームページ)を見てみる.
しかしながら,この選び方は個人的にはオススメしません.
なぜなら,行き当たりばったりの治療になるからです.
乱暴に言えば,適当に治療を行って終了です.
本来,治療はお口の中の検査,全身状態を把握した上で,
その結果に基づいて治療計画を立てて行います.
予約なしの緊急治療ばかりだと,それが出来ません.
お仕事等で忙しいかもしれませんが,遅くまでやっている歯科医院もありますので
是非,かかりつけ歯科を見つけて下さい.
5.費用が安い歯医者を探している人
保険治療である限り,歯科治療の費用は点数が決まっています.
そのため,保険治療で同じ治療をする限り費用は一緒,のハズです.
しかしながら,国が定めた医療法では,
- 特殊な器具を使用
- ある一定の設備や器具が整っている
などにより加算されることがあります.
そのため,加算されない=設備が整っていないという事にもなり得るので,
一概に安いのが良いとは言えません.
もしかすると,趣味でされているために,安いのかもしれません!
あまりお金をかけたくない場合は,初診時に
「保険治療で最低限だけをお願いします!」
とお伝えする事が良いと思います.
一番良いのは,
定期的に受診してメインテナンス・早期治療を行うことです!
これが最も安上がりです.
6.説明をしっかりしてくれる歯医者が良い人
初診時の対応,あるいは何度か受診して判断
特に初診時は診なければならない事が多く,資料もたくさんとります.
それから治療方針を立てて,一人一人に適切な治療の提案が行われます.
初診時に今のお口の中の状態の説明,2回目以降に治療計画の説明をしっかりとしてくれるかどうかが
判断基準になることが多いです.
忙しくても患者さんからの質問に対してしっかりと答えてくれるところを探しましょう.
大学病院
もう一つは大学病院です.
なぜなら,大学病院は
診療・教育・研究
を行う場だからです.
そのため,歯学部の学生さんが診療のアシスト等につくことがあります.
その指導医は学生の教育のためにも説明をしますので,よく話を聞ける場合が多いです.
注意してほしいのは,
- 説明がしっかりしている=治療が良いというわけではない
- 自分から聞かなければ,説明してくれないところもある
ということです.
質問したら嫌な顔をされるところは,やめた方が良いと思います.
かといって,あまりに同じ事を何回も質問されると,こちらとしても困ります.
歯医者さんに直接言いにくい方は,衛生士さんに色々と質問するのをオススメします!
(細かい内容であれば,直接言っていただいた方が伝わりやすいです)
7.メインテナンスをメインに見て欲しい人
やはりどんな病気も予防が一番です!
そのためには,メインテナンスをしっかりと行ってくれるところが良いですよね.
メンテナンスに力を入れているところかどうかは,
HP(ホームページ)を確認することです.
予防歯科に力を入れているところは,HP(ホームページ)に記載されている事が多い印象にあります.
また,メインテナンスは主に歯科衛生士さんが行うので,
歯科衛生士さんの教育がしっかりとしているところが良いです.
見極めは難しいですが,
- HP(ホームページ)に記載されている
- 衛生士さんがセミナー受講をしている
などをチェックして下さい.
衛生士さんがセミナーなどを受講している場合は,医院に証書などが置いてあることが多いです.
こんな歯医者は要注意!
最後に注意して欲しい歯科医院を紹介します.
できればこんな歯医者さんはいないで欲しいと思いますが...
自分自身を守るためにも注意してください‼️
私費治療ばかり勧めてくる
これは一概には悪いとはいえないですし,
日本の歯科治療は海外に比べて物凄く恵まれていると思いますが,
何でもかんでも私費治療(自費治療)を適応するのはちょっと違うかな?と思います.
金銭的に余裕のある人は,もちろん全部私費治療を受けて頂いても良いですよ!
実際,私費治療のメリットはたくさんあります👇
- 耐久性に優れている
- 審美性に優れている
- 最新の器具・材料を使用
- 保険治療の物よりも質が良い
- 身体に害がないものを使用できる
- 保証期間がある(場合による)
- 歯医者の気合いが違う😤
けれども,
- 予後が悪い歯
- 効果が怪しい材料
- 初めての入れ歯を作るとき
- メリットのみを見て,デメリットの説明がない場合
- 骨が無いところ,難しいところへのインプラント治療
といった場合,本当にその私費治療が適しているのかを検討することも必要です.
例えば,
白くて美しいセラミックの歯でも
- 硬くて丈夫
- 白さを選べる
- 汚れがつきにくい
- アレルギーの可能性が極めて低い
- 自然な感じ・美しさに仕上げることが出来る
- 価格が高い
- 修復が難しい or 無理
- 歯ぎしりが強い人は欠けることもある
- 金属に比べて歯を削る量が多くなる
- 材料によっては,噛み合う歯がダメージを受けることがある
といったように,
治療にはメリットがある一方,デメリットもあります.
治療の内容に関して,すべて説明の上で患者さん自身が決められた事であれば,特に問題ないと思います.
ただし,私費治療のほうが質が良いことが多いのは確かです!
治療前後に説明が全くない
昔は歯科医師主体の治療が行われていましたが,現在の治療は患者さんが主体の治療です.
つまり,インフォームド・コンセント(IC:Informed Consent)が重要視されています.
患者さんが治療について十分な説明を聞いて理解した上で、同意したり拒否したりすること
ですので,治療の前・後には
〇〇な状態なので,〇〇〜な治療をした方が良いです
や
〇〇を行いましたので,〜に注意してください.
今後は・・・を行う予定です.
などの説明が大切です.
特に治療前のICは患者さんが御自身で治療を選択する権利があります.
もちろん,治療が出来る,出来ないがありますし,
忙しい歯科医院では説明が簡略化されることも少なくないですが,
中には意図的に説明しない歯科医師もいますので,注意してください❗️
いつ開いているかわからない or よく閉まっている
あまり受診されることもないと思いますが,
いつ開いているかはっきりしていない歯科医院
あるいは
よく閉まっている歯科医院は通わない方が良いかもしれません.
理由として,
- 責任の所在が不明
- 院長がコロコロ変わる
- かかりつけに出来ない
- 保険医の取り消しの可能性
- 治療が途中で中断してしまう
などが挙げられます.
歯科医療は「歯科医師免許証」に加えて,「保険医」に登録していないと,
保険治療をすることが出来ません.
私費治療(歯科矯正や審美歯科のみなど)は歯科医師免許があれば可能です.
歯科医師免許はかなり国に守られている資格であり,そう簡単に剥奪されることはありません.
しかしながら,保険医は悪さをすると取り消しされることがあります.
軽度なものであれば,ある程度時間が経つと申請できるようですが・・・
詳しくは知りません.
院長がコロコロ変わったり,
短い期間で開業と閉院を繰り返している場合は,
これに当てはまることがあります.
なので,困っているからといって何も調べずに受診することはオススメしません.
まとめ
御自身にあった歯科医院は見つかりそうでしょうか?
一人一人希望するところは異なるので,求めている歯科医師も異なります.
同じ歯科医院でも,違うタイプの先生が居ることもありますので,探してみて下さい.
中々自分に合った歯医者を見つけるのは大変かもしれませんが,
家が近いだけの物理的な距離だけでなく,心の距離も大切です.
通いやすくなければ,かかりつけとはいえないので,
心の安らぐかかりつけ医を見つけてもらえればと思います.
歯科医院はいっぱいありますので,あなたに合った歯医者が見つかる事を願います.
長くなりましたが,最後まで読んでくれてありがとうございます.
この記事が参考になりましたら,周囲の人に紹介してもらえると嬉しいです.
それでは,次回もお楽しみに〜
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